毎日放送 「真珠の小箱」 ~関西復権への思い~

昭和34年(1959年)3月以来、近鉄がスポンサーになって、毎日放送(MBS,大阪市)が制作、毎週土曜日午前中に2千3百回を超えてTBS系列で放映された最長寿番組。奈良・大和路や伊勢・志摩など、近鉄沿線の自然や名所・旧跡を毎回訪ね歩くこの番組を、今でも記憶に留めておられる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか? 

休日朝のくつろいだ時間の中、わずか15分間の放映でしたが、落ち着いた雰囲気のBGMと毎回交代する案内者の淡々とした語り口でその余韻を楽しみながら、視聴者の旅情を誘う隠れた人気番組でした。通学で毎日利用した近鉄電車の車内吊り広告では、毎月の放送内容がいつも知らされていたもので、近鉄電車の乗客にとってはいつもながらの日常風景でした。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、「富田林・寺内町」は長年の放送の中で、1989年1月(第1555回放映)と1999年9月(第2085回放映)に2回取り上げられました。 先日、ある方のご協力を得て、当時放映されたこのテレビ番組のVHSダビングテープを拝見する機会を得ました。時の流れが止まったような寺内町の雰囲気が、当時の画面を通しても伝わってきました。 初回のテレビ放映を収録したビデオは、その後暫く、富田林市の文化施設「すばるホール」の1階ロビーで観ることができました。ところが、何時頃からかそれもなくなってしまい、何とかあの放送ビデオをもう一度見てみたいとの想いが募りましたが、十数年を経てようやく希望が実現しました。


写真(上)は富田林寺内町の町並みをスケッチされる訪問者(城之門筋にて)

昨秋、近鉄の会社業績不振でプロ野球球団バッファローズが売却・解散され、パリーグ再編の引き金になりましたが、前後して昨年(2004年)3月27日に45年間続いたこの最長寿番組もあえなく中止され、いわば近鉄広告塔の役目を終えた象徴でした。 沿線紹介のため、」今でも「週刊文春」や「文藝春秋」などの雑誌広告は続いているのでしょうか?

ちょっと固い話になりますが、関西経済・関西企業の地盤沈下進行の裏側で、東京一極集中の情報発信に偏る現実。 関西の民間放送が地元の素晴らしい自然や文化遺産を全国に向けて長期間に亘り情報発信し続けることの難しさを痛感しています。 関西で学校卒業後、23年間東京での会社勤めですが、毎日の往復で車内吊り広告もゆっくりみられないほどの混雑の中、関西発信の文化情報番組を全国の小・中学生に毎週見てもらい、日本文化の原点に理解を深めることの重要性を改めて感じている次第です。 民間放送が制作する文化番組を、時代の浮き沈みに左右されがちな企業が長年に亘り、安定的に支え続ける。 近鉄1社単独がたとえ無理でも、関西民営鉄道協会などがスポンサーになって、いわば国際化時代の文化・社会貢献として、こうした番組の復活を強く望んでいます。 関西復権を目指して関西企業よ、頑張れ。(2005年7月17日、管理人・歴史散歩)

「富田林寺内町の探訪」
http://www5d.biglobe.ne.jp/~heritage/


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