【町家(まちや)暮らしの薦め】

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人が住まなくなった伝統的な和風建築の住宅、いわゆる町家(まちや)を借りて暮らす人が増えているという。こころの癒しを求める人々が増えてきたことが背景にあるのかもしれない。あるいは伝統的な古いものの良さを見直そうといった風潮によるものだろうか?

たとえば京都市内の狭い路地に残る古風な町家も数がどんどん減りつつある。そんな中で日本の伝統的な生活様式を体験してみたいと好む人々が少しづつ移り住むことで、空き家が息を吹き返して町全体が活性化し再生しつつあるとも聞く。もしかすればここに地域再生のヒントがあるのかもしれない。

「うなぎの寝床」とも言われる、間口が狭い一方で奥行きが深い構造の京の町家に、それぞれが工夫を凝らしながら味わい深く暮らしておられるそうだ。そうした「町家(暮らし)ブーム」を伝える雑誌や文庫本も数多く出版されて、書店の店頭では処狭しとばかりに並べられている。

普段、マンション暮らしをしていると、密閉された室内空間で空調も行き届いているため冬でも暖かく四季の移ろいを感じなくなってくる。気候も地球温暖化の影響かもしれないが、夏は暑い期間が延びて、冬はつららが垂れ下がるほどの寒さはなくなった。年間を通して、夏とそれ以外の季節に「二季化」しているようだ。

それに比べて日本風建築は、一歩中に踏み入れると「ひんやり」した冷気を感じて、長くなりつつある夏を過ごすのに一層適した構造になっている。高い天井空間が湿気と暑さを取り除いてくれている。なんとも心が和む瞬間である。

世の中、何でもリサイクルブームの中で、住まう家についても古い町家に暮らすことを一考されては如何だろうか? 多少の不便はあるかもしれないが、急速な都市化や情報化の流れのなかで、日本人が忘れたものに改めて気づく良い機会になるかもしれない。

ところで、大阪府の南東部、富田林市に残る国の伝統的建造物保存地区のひとつ、富田林・寺内町(じないまち)も古い町家が立ち並ぶ静かな一角である。町全体の保存状態が素晴らしく、江戸時代の町並みがそのまま軒を並べている。なんだか時代劇映画の撮影ロケに迷い込んだ気分がする。ここまで古い町並みを守ってこられた関係者のご苦労や投じられたエネルギーは相当のものであろう。



最近、この地区では周囲の伝統的町家建築の家並み景観に配慮した新築住宅もいくつかお目見えしており(写真上)、新たにこの地区に住まう人々もおられるようだ。内部は現代風の作りになっていると思うが、なかなかお洒落な住まいである。また、古い町家ながら今は人が住まなくなった建物を再生して、こうした建物に住んでみたいと思われる方々もおられると聞く。古い町並みの保存と再生に共感される方々が、この町に長く住んでもらえたらと感じている。町並み保存から町並み再生へと、そのための仕組み作りが必要な時期に来ている。(2006年6月4日、管理人)

「富田林寺内町の探訪」
http://www5d.biglobe.ne.jp/~heritage/

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